学校について

あなたは走っています
風は気持ちがいいし小鳥の声も聞こえます
あなたはとても楽しく走っています
前に大きな木が見えたので
あなたはその木陰で休もうとします

しかしあなたがいる“がっこう”という世界では
そこで“せんせい”という謎の大人がやってきます
「だめです こんなところで止まってはいけません
 あなたが目指すゴールはまだ先です
 あきらめないで 頑張りましょう」

あなたは訳がわからないいまま走り続け
息もたえだえにゴールといわれた場所にたどり着きます
“せんせい”はあなたを褒めてくれます
「えらいですね よくあきらめませんでした
 困難をのりこえて 今あなたは成長しました
 これからぶつかる困難も頑張って乗り越えてください
 あなたならできます」

“せんせい”の言うことはまったく意味不明です
これから私が困難にぶつかるとか
そんな勝手な予言はどこからでてくるのでしょう?
辛い勉強をしてテストとか受験とかを乗り越えろ?
勉強って辛く苦しいものなの?
それで私が成長できる?成長ってどういうこと?

教育に関する問題点は 詰め込まれる生きるのに無用な知識
受験戦争 いじめ 学級崩壊 落ちこぼれ 登校拒否
いろいろありますが
いつの間にか自分がレースに参加していることにされ
「あなたはライバルたちに遅れないように
 頑張らなければならない選手です」
そう勝手に決められたことがそもそもの始まりです

しかしあなたは
「学校なんか必要ない!」とか
「今の教育制度は間違っている!!」とか
力んで反発する必要はありません

教育とか政治とか行政とかは所詮はシステムです
システムとはつまり 膨大な数のレッテルの集合体です
レッテルの塊と戦おうとしても意味はありません

あなたは楽しんで走っていました
そこへ誰かに「そのままずっと走り続けろ」と命令される
せっかく楽しんで走っていたのに
その命令に反発して走るのをやめるというのは損だし
逆に命令に縛られています

自分が走っている先に
たまたまレッテルでできた大きなハリボテがあった
つまりはそれだけの話です